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TAMACWORDS

タマシイのはなし

2013年このマンガがすごかった10選

コミック感想

2013年中に書きたかったけど書けなかったから過去形。年末から厳選作業と称して読み返しているうちに年が明け元旦も過ぎてしまったでござる(さらに書いてるうちに2日も終わったでござる)。

10位 エバーグリーン

エバーグリーン 2 (電撃コミックス)

エバーグリーン 2 (電撃コミックス)

まさに「太陽のような」という感じの眩しいヒロインが魅力的すぎるお話。『とらドラ!』『ゴールデンタイム』の竹宮ゆゆこ原作で、非常に彼女らしい感じで、ちょっとままならない感じの学園ドラマとなっています。ちなみに太陽のようなヒロインは鼻血出します。めっちゃ可愛いです。

9位 ヴィンランド・サガ

ヴィンランド・サガ(13) (アフタヌーンKC)

ヴィンランド・サガ(13) (アフタヌーンKC)

北海のヴァイキングたちの戦いの物語。すごいのは2013年に限った話じゃねーんですが、13巻は特に素晴らしかったので。アシェラッドの死をきっかけにトルフィンが戦士を辞めてから、農奴をやりながらどんどん次の「戦い」を見据えていく過程が大好きなんですが、その節目にあたる巻で、本当に素晴らしかった。

8位 千と万

世界でいちばん可愛い生き物は女子中学生ですが、詩万ちゃんはガチで可愛い。男やもめで女の子育てる系のマンガはずっこいくらい名作が多いんだけど、本作はマンガ表現のセンスがキュートで、おっさんマンガ家が描いてるのとはちょっと違います。詩万ちゃんのちょっとめんどくさがりなところとか、いたずら好きなところとか、自由なところとか、真面目なところとか、さじ加減が完璧すぎて床ローリング必至。

7位 私の世界を構成する塵のような何か。

2013年は女子大生とかOLとか大人のヒロインの魅力を再認識した一年でした。本作では女子大生たちのサバサバした(でも結構純情で、ついでにエロエロな)百合が、群像劇っぽく描かれます。キャラクターを型にはめて捉えさせない深さが大好き。

6位 実は私は

めっちゃおもろいドタバタ系アホラブコメディ。なんでも顔に出ちゃって秘密のできない男子、通称「アナザル(=穴の空いたザル)」が、大好きな女の子が実は吸血鬼って知っちゃって、その秘密を頑張って守ろうとするんだけど、残念ながらアナザルはアホで、でも周りの連中も全員アホだからなんか微妙なバランスで上手いこといってる、みたいなテンション高い系ラブコメです。三角関係、四角関係、あるよ!

5位 甘々と稲妻

甘々と稲妻(1) (アフタヌーンKC)

甘々と稲妻(1) (アフタヌーンKC)

これも男やもめで女の子育てる系のマンガです。話の中心にあるのは手作り料理。BL作家であり百合作家である雨隠ギドの描くキャラクターは、長身細身メガネのおっさんも、ちょっと目つききつい黒髪女子高生も雰囲気セクシー。それで、二人の間にはおいしそうにごはんを食べる元気いっぱいちっこい娘っていう、チャームポイントで溢れかえっているという隙のないページ構成。不慣れな料理でドタバタしながらもすごく楽しそうでハッピーを振りまきまくって、ご飯もめっちゃ美味しそうに食べるんだけど、もう見てるだけでお腹いっぱいです!

4位 僕だけがいない街

僕だけがいない街 (3) (カドカワコミックス・エース)

僕だけがいない街 (3) (カドカワコミックス・エース)

かなり挑戦的なサスペンス。周囲で何か事件や事故が起こるときに少しだけ時間が巻き戻ってしまう「再上映(リバイバル)」という能力を持った青年が主人公。何者かに母を殺された彼が「再上映」を願ったところ、小学生の頃まで時間が巻き戻される。そこで、小学校の頃に巻き込まれた連続誘拐殺人事件が母の死と関係しているのだと考え、薄れた記憶を少しずつ紐解いていきながら小学校の頃の事件そのものを阻止しようと奮闘するも……みたいな、ストーリー自体がすごく良質なサスペンスです。それだけじゃなく、例えば見開きの使い方とか、1巻2巻3巻でストーリーの性質を大胆に切り替えてきたりとか、マンガ表現としてかなりチャレンジをしていて読者を惹き付けてくれます。

3位 惡の華

惡の華(9) (少年マガジンコミックス)

惡の華(9) (少年マガジンコミックス)

素晴らしい。これほど見事な告白シーンは存在しない。中村と佐伯と離れて、引っ越して、それで新しい学校で常磐に出会って、確実に惹かれていくんだけど、過去が春日にそれを認めさせない。「中村の代わりだ」「これは依存だ」という自問自答。それに対して春日は常磐への告白という行動で答える。ついに春日が主体的に動いたという意味もあるし、告白の言葉も非常に彼らしくて素晴らしいし、クソムシたる彼がこれから何を為すかはまだまだ分からないけど、本当に気高い告白で、大好きなシーンです。

2位 空が灰色だから

空が灰色だから5(完結)(少年チャンピオン・コミックス)

空が灰色だから5(完結)(少年チャンピオン・コミックス)

僕の2013年の最大の収穫はこの名作に出会えたこと。月イチのペースで全巻まるまる読み返していました。ナンセンスだったりコメディだったりシリアスだったりするオムニバスなんだけど、そういう既存のボキャブラリーでは本作のことを少しも伝えられる気がしません。いちばんしっくり来る表現は「無性にざわつく」です。とにかく読んでみるべし。

1位 彼女とカメラと彼女の季節

彼女とカメラと彼女の季節(3) (モーニングKC)

彼女とカメラと彼女の季節(3) (モーニングKC)

カメラっていうのは撮影者と被写体の関係を残酷なほど忠実に写し取る機械だっていうのは僕の個人的なカメラ哲学なんですが、そういう僕の考え方とかなりマッチしています。同じ時間に同じ場所で同じ方を向いてシャッターを切っても、人が違えば絶対に同じ写真にはなり得ないんです。それは技術的要因、撮影者の感受性の要因もあるんだけど、それ以上に、撮影者が被写体に与える影響が存在するからです。そういう意味で、写真は他ならぬ撮影者を切り取る装置であると言えます。

本作は、女の子2人と男の子1人の3人のメインキャラクターの憧れ、嫉妬、自己嫌悪、愛情といった思春期的な感情をカメラという装置で鮮やかに切り出した傑作です。写真を撮るという行為には「被写体を捉えたい(捕らえたい)」とか「被写体に近付きたい」とか、あるいは「被写体との距離とりたい」とか、いろんな意志が存在します。「こう撮りたい」とか「こう撮られたい」といった感情が、強烈に他者を意識してしまうという思春期の感情と見事にシンクロして描かれます。

女2+男1の百合とか、ボーイッシュとか、そういう構成要素だけでも完璧に僕のストライクなのに、さらにこういったカメラっていうモチーフが利いて奇跡的な傑作となっています(個人的に)。

あと、タイトルにも入っているように季節に対するこだわりが強いようで、3巻の秋から冬への主人公あかりの変化(服装と一緒にどんどん暖かい感じになる)とユキの変わらなさ(冷たい表情と雪)の対比とか、そういう表現もとても美しいです。

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付録:次点

(順不同)