2014年このマンガがすごかった10選

今年はなんとか年内にまとめることができました。

今年はあまり数を読めていなかったりしてて、なにより少女マンガの方面をほぼ読めていないのが残念です。なので、当然少女マンガは入ってきません。ごめんなさい。あ、あと今年は少年ジャンプも全然読めてない(と思う)。

ちなみに、去年のはこれ。

去年はランキングにしてましたが、今年は順番とすごかったレベルは関係ありません。

リンクは最新刊のみ。あと、自分がKindle主義なのでKindleへのリンクのみ。

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聲の形

方々でさんざん取り上げられているので、いまさら紹介する必要もないかなと思ったのですが、やっぱりこれを入れないわけにはいかないかなと思います。だって、手話で、何言ってるのか全然わからないのに、全身がブルって震えて鳥肌立つんだもん。この迫力は本当にすごい。本当にすごいとしか言えない。

2014年って、まさに聲の形の年だったんじゃないでしょうか。一気に駆け抜けて、7巻で完結。本当にありがとうございました。

ちーちゃんはちょっと足りない

「おい、このマンガがすごい!のまんまじゃねーか仕事しろ」って怒られるのも承知の上で、でも、やっぱりこれも外せない。

阿部共実ってオムニバスのイメージが強いと思うんですが、こういう1冊まるまる1ストーリーで、新しい魅力に気付きました。ホラーだったりナンセンスだったり、そういうのを軽やかに行ったり来たりして、次のページがどうなってるか予想できないっていうの、阿部共実のすごい長所なんですけど、ちゃんとストーリーがあると、読者としてはいつでも裏切られる準備をしてなきゃいけなくって、すごく緊張感が出るんです。

で、そこにちーちゃんっていう圧倒的に「抜けた」存在があわさって、阿部共実独自の体験を演出できている。2015年もこういうの読みたい!

クズの本懐

今年、圧倒的に化けました。もともと最高にかわいくて最高にエロい絵を描ける人だったけど、話も書けるんだぜ!

ちゃんとストーリーを説明すると、お互い他に好きな人がいるのに、その好きな人には別に好きな人がいるから「契約」でとりあえず恋人になってる花火ちゃんと麦くんが一応の主人公。心が満たされることと体が満たされることってイコールじゃなくて、あと、心の満たされ方だって健全な方法とは限らない。そういうのをひっくるめて人類みんなクズな話。もうみんながみんな迷子。

自分が間違ったことをしてる、自分は弱いって自覚しながら、でも正しいとか強いとかよく分からなくて、結局間違い続けてしまうんだけど、これがすごくかわいい!そしてエロい!!

このどうしようもなく間違ってしまう感じ、絶対ガチ百合が似合う!って思っていたのですが、本当にレズ野郎登場するし、話にぐいぐい絡んでくるし、もう最高です。しかしあのレズ野郎は絶対に幸せになれないだろうなあ…

累(4) (イブニングコミックス)

累(4) (イブニングコミックス)

今すごく勢いがあるマンガ。そして構成が天才的。

天才女優の娘にして醜い顔で生まれてきた累(かさね)が主人公。塗って口づけすると相手と顔を交換することができるという母の形見の口紅を利用して、「顔だけいい女優」のニナと契約し、ニナとして舞台に立って評価される累。なんだけど、どんどん自分を見失っていく。累もニナも。累が光を浴びるほど、読者は破滅の未来しか見えなくなってくる。アイデンティティが問われ続ける。すごい話です。

とりあえず1巻だけでも読んでみてください。絶対に引き込まれます。

だがしかし

だがしかし好きだー。すごい好きだー。って、たぶんそう思えるマンガ。

説明するほどのことでもないかなって思うんだけど、駄菓子屋を舞台に駄菓子屋の跡取りと駄菓子メーカー令嬢が仲良くギャグしてるのがすごく愛おしいマンガです。

要素を分解すると「やるな!」って感じるんですが、「懐かしさ」のある「うんちく」を「ギャグ」交えつつ「美少女」がするっていう時点で結構キテる。

あとヒロインのほたるちゃんが、すごく作者の好み全開なデザインで、最近の少年マンガってこういうの増えてきたなってすごく好感持てますね。誰もが好きそうなデザインじゃなくて、「あー、この作者はこういうの好きなんだろうな」って思えるから一緒に好きになれる。

ふらいんぐうぃっち

田舎で魔女で『よつばと!』です。以上!

というのは投げ過ぎな気もするのですが、ほんとにこれ以上なにを紹介すれば……という感じ。

コマの間と全体的なノリは非常に『よつばと!』に近いんだけど、田舎とか森とか舞台にしてるのと、あと、話の中心には魔女ってキーワードもあって、ちょっと「ここじゃないどこか」感が強いです。なお、魔女とは言っても、毎日好きなことしてのんびり生きてる感じの魔女なのでバトったりはしません。

水色イデア

バイタリティしかない女の子と、絵の才能はあるのになぜか冷めちゃってる男の子が出会って、一緒に漫画部がんばろう!って、そういう王道。

主人公の女の子の目が、すっごいキラキラーって輝いてて、ほんとに自分こういう子に弱い。

絵がうまいしコマ割りセンスあるし描き込みすごいし、1ページの中にポップなのとダークなのを混在させられる才能です。2015年の期待。

コンプレックス・エイジ

26歳コスプレイヤーというかなりきわどいリアリティのある主人公と、そのコスプレ仲間たちのマンガ。アニメが好き、コスプレが好きっていう純粋な気持ちでやってうはずなのに、年齢の問題とか、リアルでバレちゃう問題とか、そういう障害がいくらでも降って湧いてくる。

オタク趣味って、胸を張って「これが好きだ」って言えたとしても、心のどこかにはコンプレックスが存在しているもので、ちょっとした事でイライラしてしまったり落ち込んだりとか、そういうことが多いと思います。そういう些細な感情の変化がすごく表現できていて、すごく胸に刺さる。

「あああああああ!」とか「ぎゃあああああああああ!」とか、間違いなく今年一番悲鳴を上げたマンガです。

あの娘にキスと白百合を

(紙の本は年末にすでに2巻が出ていますが、Kindleは年始待ちなので実はまだ読んでいません)

ザ・百合って感じ。学園で、優等生ぶってる女の子と、努力しなくても何でもできちゃう女の子がお互いに惹かれ合うお話です。すっごいふわふわしててきれいな話です。つまり、光の百合です。

すごくオーソドックスで、まっすぐ前に進んでいく感じ、むしろ最近はなかなか読めないような気がして、今年最強のお気に入り百合です。

ラグタイム

フラグタイム 2 (Championタップ!)

フラグタイム 2 (Championタップ!)

しかし今年最強の百合といえば間違いなくこちら。百合のエッセンスが全部詰まっているから、もう百合と『フラグタイム』はイコールでいいと思う。

1日3分だけ時間を止めて好きなことをできる森谷さんと、クラスの美少女村上さんがひとつずつ着実に分かり合っていく様子がたまらなくキュート。

なにが素晴らしいって、二人が仲良くなるきっかけが、森谷さんが時間を止めて村上さんのパンツ見てる時に、なぜだか村上さんが動けてしまうというハプニングなあたりが最高ですよね。女の子がパンツ見た/パンツ見られたで仲良くなるんだから、もう最高です。

森谷さんは3分自由にできるとは言っても、真面目で度胸とかなくて大それたことができなくて、せいぜい人のパンツを覗くくらいしかできないんだけど、そういう感覚すごくよく分かる。あと、1日3分を共有するようになって、村上さんが3分の間に教室で制服を脱いだりするんだけど、その感覚も分かる。時間を止めるっていうファンタジー要素がありながら、実はこの上なくしっかり地に足をつけた百合を展開できているのがすごく好きです。

かれこれ1ヶ月くらい、「時間を作って『フラグタイム』を語り尽くす記事を書こう…1万字くらいで…」って思っているのですが、なかなか時間が取れず年が暮れてしまいました。まだ諦めていないので、ひょっとしたら新年に『フラグタイム』を語り尽くす重たい記事が上がるかもしれません。その時はよろしくお願いします。